ヨーロッパオペラハウスの旅③ ナポリ サンカルロ劇場

2026年、6月、オペラの旅、続きます。

さまよえる日本人の私は、ウィーンをあとにして、イタリアへたどり着きました。

あ、その前にメトロポリタンオペラ新シーズン(2026-2027)の予告会を今月ZOOMで開催します。
Metで何を観るか迷っている方、メットでオペラ体験したい方、NYにいらっしゃる方、是非ご参加ください。
詳細は、ページ最後、こちらです。

オペラの生誕地イタリアへ。

イタリアでは、ボローニャ(コミュナーレ劇場改装工事中)、ラヴェンナ(フェス中だけど日程合わず、Muti観れず)、ローマと訪問し、ナポリ到着。

もともと、ナポリまで出向くつもりはなかったのですが、ローマオペラのプログラム(椿姫のトリプルキャスト &でバカ高いチケット代)に失望して、勢いでナポリのサンカルロ劇場を調べると、大当たりのプログラム。

なんと、大大ファンのソンドラ・ラドヴァノフスキーと、熱い若手テノールのフレディ・デ・トマソのコンサートがあるではないか!そしてその前日が、アレクサンドラ・クルジャク主演の『アドリアナ・ルクルブール』。

これは行くしかない。ナポリは過去2回訪れたけど、(2回目は喧騒を逃ルジャクントに滞在)あまりにもすべてがクレイジーで、行きたくなかったけど、ソンドラの為なら、、、、(笑)と、息子、そして日本からジョインした姉も一緒に列車で参入。

当然の如く、ナポリセントラル駅に着いたとたんに、カオス。白タク、浮浪者(?)がなぜかタクシーの列分け、そして運転手も嘘つき、ふっかけ。「あーでた、でた、嘘つき村にきたねー。」と言いながらB&Bに到着。

その後すぐ身支度して、オペラハウスへ。

基本、今回の旅行は、ロンドン以外は、オペラハウスに徒歩で行けるお宿をとりました。

でも、他都市は目と鼻の先だったけど、お部屋の広さと夜道の治安など考慮して、徒歩7分のChiaiaエリアのB&Bに滞在。

そのエリアは、スパニッシュクォーターにも近いので、オペラ後の飲食店にも不自由なし。

本当にナポリは、タクシーと運転手に当たりハズレがあるので、徒歩で移動できるエリアが一番。夜の公共交通機関はあてになりません(笑)ウーバーは基本ないです。

そんなこんなでも、ヨーロッパ現役最古の劇場-ロッシーニもこき使われ、Verdiもナポリで成功せねば!と悲願させた、18,19世紀、オペラの中心地とも言われた、サンカルロ劇場に行くには、嘘つき村のタクシーにも負けませぬ(笑)。

ソンドラのドタキャン→アレクサンドラ再発見

ソンドラのドタキャンを公演数日前に知ったお話とその理由は、前回書きましたが、簡単に。

ナポリ検察は2026年4月、サン・カルロ劇場の前総支配人らを架空マスタークラス等による資金不正流用(約20万ユーロ)の疑いで捜査開始。報道で名前が挙がったシンガーたちに、ソンドラや、ヨーナス・カウフマンがいて、ソンドラはSNSで「不正関与は事実無根」と激しく抗議・否定。その結果のキャンセルだったんです。

で、前夜までアドリアナ・ルクルブールの主役を歌っていた、Aleksandra Kurzak アレクサンドラ・クルジャクが代役でテノールのフレディ・デ・トマーゾにジョイン。

プログラムは、『セビリアの理髪師』のロジーナのアリアやトスカの『歌に生き、愛に生き」のアリア、そしてフレディとの重唱では、オテロ、マノンレスコー、カヴァレリア・ルスティカーナと、とってもミーティーなイタリア的なプログラムでした。

アレクサンドラは、元々上手いのはわかってたけど、声が本当にダークになっていて、選曲にあってるし、テクニックがすっごくしっかりしてるので、もうそれが一番感動。最近は声の美しさと、volumeだけに頼って、なんでもガンガン歌うシンガーが多いので、やっぱり本当に上手い人は違う!とほれぼれ。

表現力も素晴らしいし、胸声から頭声への切り替えも素晴らしい。夫のロベルト・アラーニャほどのカリスマはないけれど(あの人は異常(笑))、素晴らしかった。イタリア語が本当に堪能で、観客にあいされていて、常にリラックスでマイペース。小柄ながら華やかでよかったです。

頑張れフレディ

その対称がフレディ(笑)。

体は筋肉マンで大きいのに、すっごく緊張してるみたいで、観てるこちらが緊張。

フレディ・デ・トマーゾFreddie De Tommasoはイタリア系イギリス人のテノール。

声が大きくて、なかなかロブスト、昔のイタリア人テノールって感じで、結構すきだったんですが、、、

彼も残念ながら、声はすごく良いのに、力任せで歌う感 & 一本調子な感がつよい。でも劇的な場面では、(トスカのカヴァラドッシとか)楽々とでる高音と輝かしい胸声。これらは、とっても魅力的で惹かれた理由なんだけど、コンサートでは、すっかりくわれました、アレクサンドラに。

彼の歌ったアリアは、『マクベス』からマクドフのアリア、そして『アンドレア・シェニエ』から♪五月の美しい日のように。フレディは、秋からMet Opera のマクベスで、マクドフ役を歌うので、このアリア、すごく期待してたんだけど、悪くはないんだけど、ちょっと残念でした。なんだろう、、、キンチョーとニュアンスの表現力がイマイチで起伏もなくて、、、、

でも、でも、やっぱり彼の声は好きだし、いかにもーって感じのカンタビーレも好きだし、彼未だ若いし(33歳?)、未来明るい(はず)なので、これからもっとテクニックや声での演技の技術を学んでいくと信じて、応援します。

好青年だしねー💛

アドリアナ・ルクルブール

でも、こうなると、最近活躍しているスピント&ドラマティックテノールで、本当に素晴らしい!と思うシンガーがいないのが悲しすぎる。

このコンサート前日の『アドリアナ・ルクルブール』のマウリツィオ役のブライアン・ジェイドも残念テノールのひとり。

人気があって、メットの常連(NY出身だし)で、世界中のオペラハウスにも呼ばれるけど。これは、スピントと言われる、強硬な声のテノールが、その声を必要とする作品が人気作品なのに、歌えるシンガーがあまりいないからってのもあるけど。

彼はかっこいいし、声量もあるし、全ての音はでる。だけど、ワンパターンで、つまらない。

ニュアンスなし。ド派手な役というか、もう音楽自体がすべてを表現してくれる作品でないと(プッチーニ、アイーダ)、パッとしないというか。

ブライアンは、アイーダのラダメスとかヒーロー的なものは、良いんだけど、(しかもアリアは1曲しかないし)。

『アドリアナ・ルクルブール』のマウリツィオ役は、プレイボーイの貴族で、勇ましそうで、賢こそうだけど、お金持ちのチャラ男っぽい余裕が、ベルカント的なテクニックもリリカルさも、ブライアンにはないので、見た目はよくとも、歌うと全然あわない、歌えない。細かいフレーズは、彼には声のフレキシビリティがない発見。

もともと2人の女性の間で、いけ好かない男の役だけど、歌唱がイマイチで、もっと印象悪くなちゃった(笑)

やっぱり、役をちゃんと選ばなきゃ、ですねー。

主役のアドリアナのアレクサンドラ・クジュラクは、ヴェリズモオペラには、声がリリック過ぎるのかな?という予想を完全にかき消し、低音がすごーく充実。姉が「この人メゾ?」というほど、で私も驚きました。

ちょっと大げさなところもあったけど、本当に上手い。歌唱技術が素晴らしく、全ての音が確実で、全てのニュアンスが、声色が、考えられてでも機械的でなくて、とにかく「上手い!」としか言いようがなかったです。

あえて、アレクサンドラのマイナスポイントを言えば、ソンドラやアンナ・ネトレプコの歌唱のように、何とも説明し難い、感動を胸を締め付けられるような感情はあまり沸いてはこなかったのが、この舞台においては残念。

でも、やっぱり彼女はすごいです。もっと観たくなりました。

さて、なにが、残念だったって、ブイヨン公妃役の、エレナ・ガランチャ。

すごく期待してたのに、なんかスッと終わってしまった

確かに、暗闇でお互いが誰かわからず、恋のライバルの腹の探り合いをするアドリアナとブイヨン公妃のシーンは、見応えあったけど、、、、エレナは、声の輝きもイマイチだったし、あんなにきれいなのに、声の響きも無理があるし、地味過ぎて。彼女の声に会ってない、ミスキャストだなーと残念した。

秋には日本でリサイタルがあるそうですが、どうなんでしょうね。最近オペラハウスでも、以前ほどは歌わない印象だし、レパートリーが狭まっているように思えます。

ナポリ、サンカルロ劇場のカフェ

私は、2公演とも、オーケストラ席だったので、地下のメインカフェに行きました。

勿論コーヒーは美味しいし、小腹がすいたら、アランチーノや、モッツアレラインカロッザなど、チーズ入りの揚げ物があります。お酒は当然のごとく、アペロール・スプリッツも美味しく、でも私はお酒飲むと寝ちゃうので、観劇はカフェイン注入のみで(笑)

一日目に姉がアペロールを頼んだら、おつまみの如く、ミニスイートもだしてくれて、その中のコロネのようなパリパリのお菓子が美味しかったので、翌日にフルサイズで注文。

ナポリ名物のスフォリアッテラは、パリパリの生地の中に、リコッタチーズが入っています。ものによっては、カスタードや生クリームが。すごくおいしかった。。。。。

ああ、やっぱりメットオペラのカフェ、もっと頑張ってほしい...😢

因みにオーダーの仕方ですが、バーカウンターの両端にレジがあるので、そこで欲しいものを注文。レシートをもって、バールのお兄さんに、見せてオーダーします。

レジは、しっかり1列に並ぶので、心配いらないけれど、そこからは戦い(笑)。バーの中のお兄さんと上手く目を合わせる、スクージと叫び、私が先にいた感をドーンとだす、じゃなきゃ、負けます(笑)

個人的に、演目と言い、クオリティと言い、お値段といい、サンカルロ劇場はとっても素晴らしいです。

勿論、オーケストラ的には、ウィーンや、ベルリン、ミュンヘンに及ばないけれど。でも、サンカルロ劇場のオーケストラは、本場のイタリアンパッション、歌心に血沸き肉躍る感いっぱいなので、リラックスして、本来のオペラ、、、娯楽としてぜひ、サンカルロ劇場にいってみてください!

Metropolitan Opera 2026-2027シーズン 予告会

Met Opera 予告会の日程・受付開始

夜クラス:8月25日(火)8pm(est)~

日中クラス:9月1日 (火)10AM(est)~

予告会とは?

何を観るか迷う前に──シーズン前に“必見オペラ”をまとめてご紹介するクラスです。

参加後、シーズンの全体像が一目でわかり、時間も予算も無駄なく観劇計画が立てられます。日本からの友人や、家族とオペラを観たい、などの予定も立てやすくなります。

全ての作品をザっと見て、特に必見作品と必見キャストを紹介しつつ、そのプロダクションによってのベストシートなどもご紹介します。観る側から、何が初心者向け?ティーン向け?デート?子供もOK?などなども分けていこうかなーと思います。

予告会は、オペラシーズンの“虎の巻”

  • この秋・冬、何を観るべきかが一目でわかる
  • チケット争奪戦必至の必聴シンガーを先取り
  • 初心者も通も楽しめるおすすめ演目を厳選
  • 限られた時間と予算で最も充実した観劇プランを立てられる

日程:

夜クラス8PM est 8月25(火)

日中クラス 10am est 9/1(火)

上記の日程でご都合が悪い方は、ご希望の日程・時間をご相談ください。勿論録音でのご参加も可能です。

所要時間:約2時間

参加費:Ealy bird $49(8/13迄) ー  Regular $59

含まれるもの: 

  • 2時間のライブ予告講座
  • オリジナル解説資料
  • オペラ鑑賞に役立つボキャブラリーリスト
  • 録画アーカイブ付き(期間限定視聴)

お申込み方法:下記リンクから、ご希望の日程、お名前、メルアド、と共に、お申し込みください。

お支払い方法をご連絡いたします。

*数日中に返答がない場合は、お手数ですが、再送をお願いいたします。

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