ウィーンでワーグナー!
ウィーン国立歌劇場 Wiener Staasoper と言えば、ワールドベストオペラハウスの順位がどう動こうが、常にベスト4に入る「音楽の都」ウィーンの総本山。
初めて訪れたのは20代の頃、エディータ・グルベローヴァが歌う『ランメルモールのルチア』を観に、母とお初ウィーンでした。
その時は、チケットを電話で取ったのか、FAXだったのか記憶がないけど、今は簡単にオンライン購入時ができるから便利ですね。アカウントの設定も、イタリアのオンライン購入よりも、入力必須な個人情報が少なくて良かったし。
とは言っても、いざチケッティングとなると、ワーグナーのニーベルングの指環は別物。
争奪戦に勝つには、コンピューターと回線がさっさと動いてくれる運がとーっても必須という、なかなかストレスな購入でした。(前回ブログ参照)
ジークフリートと神々の黄昏を鑑賞


1幕のジークフリートとミーメの住居/鍛冶場のセットデザインで、ちょっと期待が下がった。
オフィスの様にデスク?が6つ、前後2列に分かれて並んでる。
よく見ると、鍛冶場のワークステーション。でも床はグレイのカーペットみたいでどう見ても地味なオフィス。
2幕のファフナーのシーンも、高ーい足枷に乗ったファフナーがステージ下から上がってくるのはオッケーだけど、特に面白くない。このシーンはどの演出でも苦労していて、多くが学芸会みたいだから、今回は良い方?全体的にミニマムセットで、場面によってはストーリーの邪魔にならず、良い、とされる感もあるけれど。
『神々の黄昏』も同じくミニマムセット。でもこちらの方が動きはあるし、登場人物も多いので、ミニマムでも気にならない。シンプルなセット、又はセットなーんも無くて照明のみでの演出は、緊迫するシーンは良いけど(例:神々ーのハーゲンとアルベリッヒのシーン)、ブリュンヒルデの眠る岩の頂上とかだと、ちょっとつまらない。
でも、やっぱりオペラはシンガーが1番大切であって、ワーグナーの場合は+オーケストラ。
もしかしてオーケストラの方が大切かもしれない。
ウィーンのオーケストラ


ワーグナーのオペラは、オーケストラも主役と言っても過言ではないケースも多い。なので、セットはまあ目をつぶる。 (好きじゃないけど、まあいいや)
何が1番残念だったかと言うと、天下のウィーン国立歌劇場のオーケストラでした。驚くことに、肝心の管楽器がいまいちで、なんと、特にジークフリートのテーマを奏でるホルンが、カスっちゃったり。
あれは、正直聴いててズルっとコケました。
あれ?ウィーン国立歌劇場のオケって、天下のウィーンフィルよね?あれ?なんかイマイチなんだけど聞くとことによると、ウィーンフィルのメンバーは、オペラオケのベストメンバーを選りすぐってのメンバーだそうで、ほぼ毎晩縁もがある歌劇場では、やっぱり一番手もいれば2番手もいる…
今回のリングサイクル(チクルス)は2回のサイクルのみだったけど、オケは入れ替わった?って程、第1サイクルを聴いた方私の感想が異なる。うーん…ホルンが別の人だったのか?たまたま調子が悪かったのか??
一音だけでなく、全体にホルン、そして管楽器が思ってたよりインパクトが、迫力が無かった…
シンガーも良い日とイマイチの日もあるので、オケもそうなのかも。
セットもオケもイマイチ期待に添えてなくて、じゃあシンガーは?全体の出来は?と尋ねられたら、やっぱりジークフリートよりも絶対的に『神々の黄昏』が面白かったです。我が息子も、お席がイマイチだったにもかかわらず、(3階の安全バーが視界をばっちり妨げる穴席!)すっごく良かった!って言ってました。
アンドレアは、前回に書いたように、ラフな箇所はあるものの、息が周りに回って、声が出まくり(笑)、ギュンターはかっこよく(本当はかっこよくない役)、悪賢く、そして少し情けなっくて。声は相変わらず私の好みで、低音の重さはあっても、クリアで響く声、、、、💜
でも最後にすべてを持って行ったのは、ブリュンヒルデ役のカミラ・ニールンド(Camilla Nylund)。彼女は、コロナ前に、待望のメットデビューを、『ばらの騎士』の元帥夫人で聴いたけど、イマイチ、印象が薄かった。
でも今回は、違う!カミラのエレガントなルックスと立ち回り、過去に観たマッチョタイプの怪力でねじ伏せるタイプ(?)のブリュンヒルデと全く違って、びっくり。強くても、怒っていてもエレガント、、、それはジークフリートも、グンターも惚れるよね。
美しくエレガントで誇り高いブリュンヒルデ、新鮮で良かった!で、異様に納得してしまった。あー本来のブリュンヒルデはこんな感じだったのでは?って。
そして最後のブリュンヒルデの自我の犠牲のシーン、20分弱、一人で歌い続ける、、、、歌えば歌うほど、気持ちが高揚してくるのが伝わって、もう圧倒でした。
カミラさんは、来年、カーネギーホールで上演されるチューリッヒ歌劇場の引っ越し公演リングサイクル(コンサート版)で、ブリュンヒルデを歌うので、とても楽しみです。
カフェ@ウィーン国立歌劇場


さてさて、
オペラハウスに行くと、私にとってとても大切なのは、カフェ!
ウィーンの歌劇場はコーヒーが美味しくて(普段の比較-Met Operaが悪すぎ)、しかもケーキもカナッペも美味しい。
お値段は、そんなに高く感じなかったけど…
レシートを見ると、コーヒーとケーキ15.84ユーロ、約18.36ドル。チップ要らないし、美味しいしで、高い気はしませんでした。
ってメットに比べればお手頃!
オペラハウスでケーキが美味しいってのは、感動するアメリカ慣れした私
悲しい。
ブダペストのオペラハウス



『ジークフリート』と『神々の黄昏』の間に数日あり、列車で2泊3日でブダペストに行ってきました。
そしてハンガリー国立歌劇場で観たのは、Verdiの『マクベス』。大好きなオペラで、特にキャストは気にしてなかったのですが、なんとジークフリートと同日に、アンナ・ネトレプコが出演していた。。。。うーん、ついてない。アンナちゃんのマクベス夫人、大好きなんですが、、、、、
まあ、気を取り直して、行ってきました。
まあ、なんと、豪華絢爛、金銀ギラギラ。すっごい豪華なハウスでした。
小さな劇場でキャパ数は1261。平土間のお席は20列ほどしかなくて、それでも全体の3分の1のお席が平土間なんだそうです。
オペラが始まり、オケもなかなか良いなーと思っていたら、鳴らす鳴らす(笑)そして小さなハウスだから、もうvolume大って感じで、ちょっとシンガーの声が聴こえにくい箇所もあり、それが残念でした。
演出はとってもモダンで、ステージに大きな階段があり、その階段が色々な役割をするのが、視覚的にとても興味深かったです。時代はアップデートされ、軍事社会のディストピアのスコットランドで、キルトをはき、銃を持つマクベス。舞台の中央の巨大な階段は、権力を求めて登っては暗闇へと転がり落ちていくマクベス夫妻の姿を、「永遠に岩を押し上げ続けるギリシャ神話のシーシュポス」に見立てて視覚化しているそうです。
4幕では、未来の王たちの幻影が行進するシーンでは、王らが階段をゆっくり上がり、2場のマクベス夫人が夢遊病・気が狂うシーンは、階下の空間が死人の空間となり、殺された人々(亡霊)がうろうろしてる。本来はこのシーン、気が狂ってしまっているマクベス夫人と侍女と医者のシーンなんだけど、侍女と医者はいず、マクベス夫人の状況を歌ってるのは、なんと殺されたバンクォーと、マクドフの妻。で、正気を失って、ふらふらしながら部屋に戻ろうとするマクベス夫人に、マクドフの妻の亡霊が、銃を渡すの!これは、うまいなーと思いました。
シンガーは、全く知らないシンガーばかりでしたが、なかなか良くて、特に好みの声のシンガーに出会えたのは、嬉しかったです。ただ、マクベス夫人は、私は声が苦手で、どうも好きになれず。第4幕の「夢遊病の場(手を洗う場面 / Una macchia è underground…「まだ斑点が残っている」)」のアリアは、もうちょっと囁くように歌ってほしかった。大大好きなアリアなので、期待も高いし、評価もちょっと辛口になりました。
マクベスは、秋にメトロポリタンオペラで、リセ・ダビデセンがマクベス夫人の役デビューで、話題になっていますが、このキャスト謎過ぎる、、、、、、またこれは別の機会に、文句言いますね(笑)
ウィーンでの『ジークフリート』の翌々日の『マクベス』。ああ、なんて聴きやすいんだろう💜と思って聞いていたら、息子も「あっさり終わったね。」と言ったので、笑ってしまいました。
まあ、5時間と2時間半の差は大きいわよねー。あと、永遠に続くオケと醜い小人族の怒りやら、自由奔放なワイルド男子の雄たけびに比べると、合唱はあり、短い分かり易いアリアと馴染み易いメロディで、ストーリーはドロドロなのに、前者がワイルドすぎて、後者があっさりに感じる。
大満足なパフォーマンスではなかったけれど、旅先のオペラとしては、本当に楽しくて、演出は良い意味でクリエイティブで楽しめました。
あ、大切なカフェ!

1階と2階にあって(その上にもあったのかも)2階はバルコニーにでれて、とても素敵でした。勿論コーヒーも、オープンサンドも美味しくて、、、、ドイツ圏って、意外とパンが美味しいんですよね。。。。これはベルリンでも実感。
ブタペストに行かれる方は、是非是非オペラを観に行ってください!